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2016.06.22

436 世界大学評価ランキングに思う事

報道によるとタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education)は6月20日(現地時間)、Webサイトで2016年のアジア大学ランキングを発表したと言う.東京大学は調査開始以来3年連続の1位を保っていたが、2016年は7位だったと報じた.

THEアジア世界大学ランキングの評価基準は「教育の質・学習環境」「生徒と教員の国際性」「研究の質」「論文被引用数」など,HE世界大学ランキングと同様の13項目.アジア諸国をはじめ、トルコ・中東を含めた22か国の大学を対象に調査し,上位200大学を決定したのである.

評価の結果は,1位は77.4ポイント7でシンガポール国立大学に決定。2位には72.9ポイントで南洋工科大学と北京大学が並んだ.4位は香港大学。東京大学は67.8ポイントで7位にランクインし、国内首位.そのほか、京都大学は11位、東北大学が23位.

2016年のトップ50にランクインした国内大学9校のうち、2015年のTHEアジア大学ランキングと比較して順位を上げたのは3大学。筑波大学が48位から46位、九州大学が58位から48位、北海道大学が63位から49位であった.ランキング100位までに入った国内大学数は14校と,前年の19校を下回った.発表以来、ランキングに入る国内大学数は減少している.

6月14日に発表されたQS(Quacquarelli Symonds)によるアジア世界大学ランキングにおける国内の大学トップ3はそれぞれ、東京大学が13位、東京工業大学が14位、京都大学が15位だった.

トップ50に入った大学はすべて、文部科学省が推進するスーパーグローバル大学創成支援でタイプA型(トップ型)に分類されているのだと言う.

ちなみに、この支援制度は 我が国の高等教育の国際競争力の向上を目的に、海外の卓越した大学との連携や大学改革により徹底した国際化を進め,世界レベルの教育研究を行うトップ大学や国際化を牽引するグローバル大学に対し,重点支援を行うことを目的としている制度である.いかにも役所らしい,無責任な制度に私は感じる.そこに志も、熱意も、ない、単に予算を分配しているだけに見えるからである.

世界大学ランキングは以上であるが、それぞれのランキングは、主催側のランキング付けの目的も、評価方法も違うのである.例えば、評価対象が学術毎か総合か、教育か研究か、活動実績かか成果実績か、さらに、評価者が学生か、教育者か、研究者か、企業か、によっても違って来るのである.

このように、ランキングは目的も評価基準も違うのだが、多くの国や機関が出している主要なランキングを列記しておきたい.

世界大学学術ランキング(上海交通大学)、THE世界大学ランキング(英国教育週刊紙)、QS世界大学ランキング(英国大学評価機関)、トムソン・ロイター世界大学ランキング(米国)、CWUR世界大学ランキング(サイジアラビア・ランキングセンター)、トップ100グローバル大学ランキング、HEEACT世界大学ランキング(台湾)、ENSMP世界大学ランキング(仏)、ライデンランキング(蘭)、WeboMetrics世界大学ランキング(スぺイン)、Uマップ(欧州)

どのランキングにおいても、総じて日本の大学の評価は下降気味である.共通して評価が低いのは国際化である.どのランキングの評価基準でも、国際化が大きな評価ポイントになっているのである.

ころで、日本の文部省や各大学はどう見ているのだろうか.もっと順位を上げようと取り組むのだろうか、或は、無視しているのだろうか.文部省は上記のスーパーグローバル大学創生支援制度のように、国際化に手を挙げている大学に予算を付けて、高みの見物を決め込んでいるのかも知れない.

真剣に日本の大学の評価を上げたいとするなら、学生も教授も海外の人を多くし,言葉や教材も英語化するしかないのである.しかし、簡単ではない.これは、日本の社会の英語化、国際化と連動しているからである.大学単独では解決が出来ないのである.

アジアでシンガポール、北京、香港がトップ3だが、英語化や国際化は、国も個人も、世界で生きて行く為の手段と考えているのである.教授は勿論だが、学生は英語を日常語のように使えなければ、生きていけないと必死である.日本にはそんなひっ迫感がないし、使命感が無いのである.これがランキングを上げられない大きな原因だと思う.

そんなわけで、世界大学ランキングを総じて上げる事は極めて難しいと思うのである.反面、何故、日本独自の大学の評価システムがないのだろうか、と気になるのである.国際化を評価から外しても,大学を成長させ、人材育成・研究開発の向上を図る指標があっても良いと思うのである.

れとも大学を評価する必要性がない、必要性があっても、評価方法を決められない、のだろうか.政教分離、大学自治、学問の自由で、大学を評価する事さえできないのかも知れない.これでは,『大学は国家戦略』と捉える諸外国の大学と差がどんどん広がりそうである.

実はそれ以上に心配な事がある.大学の共通した評価方法がないにしても、各大学自身が人材育成開発や研究開発に、方針を持って取り組んでいるのかと言う心配である.

大学とは教授の利権の固まりであり、方針やカリキュラムや教育、研究体制を簡単には変えられないのである.したがって、旧態依然の大学が多いのである.せいぜい、大学の評価と言えば、歴史があるとか、有名だとか、偏差値や競争率、或は就職先だとか、の評価である.

大学が取り組んでいる事と言えば、スポーツで有名になるとか、学力より学生数優先で,学生を確保に走るとかである.少子化を迎え,ますます、『入学しやすく、卒業しやすい』大学になって行くようで心配である.これでは,貴重な4年間が,個人にとっても、社会にとっても、無駄な時間になってしまうのである.

以上の様に、大学の世界ランキングを見るにつけ、日本の大学のあり方に思考が向かったのである.世界のランキングの順位を上げようとする事も、大学の成長の一つの方法かも知れないが、もっと大事な事は、大学を国家戦略として考え、国家としての教育・研究政策立案と、各大学の方針をしっかり作り直す必要性を感じたのである.

当ブログでも、以前、発信しているが、義務教育(小学校6年、中学校3年、高校3年)、専門教育(技能校4年、研究校4年から8年)とし、公私含めて技能校200校程度、国公立の研究校は20校程度、私立の研究校は100校程度に絞り、国家予算の効果的投入、技能者の拡充、研究を通じた知力の拡充、学生の針路選択肢の拡充、を実施、同時に海外大学への遊学も支援する、としたのである.勿論、各学校はマニフェストを掲げて運営する事は当然である.これくらいの改革が必要だと思うし、大学が淘汰される事を待つ程、時間はないと思うのである.


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