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2017.02.07

462 PostーTruth 考

’Post-Truth’は 2016年の英国流行語だそうである.意味するところは、’真実より感情’’真実は二の次’の時代になったと言う意味の様である.具体的には、英国国民投票による’英国のEC離脱’’米国大統領選のトランプ氏の当選’を指しているようである.

私の感じるところ、国民投票や大統領選で,’真実より感情,歪曲,嘘’がまかり通ったと思うのである.アジテイターが良く使う、ハッタリ,強弁の説法が,ナショナリズムに火をつけて、世論が動いたのだと思う.あまりの効果にアジテイター自身が一番驚い.ていたかも知れない.

両方とも、予想を覆された知識人から見ると、’どう考えても、そうはならない’と思った事が現実に起きてしまい、唖然としたと思う.そこで、’真実が伝わらない’’真実の時代は終わった’’感情や嘘の時代が始まった’と捨て台詞を言うように、この言葉を吐いたのかも知れない.しかし、この言葉が言い得て妙なだけに、2016年の英国の流行語になったのだと思う.

私見によれば、この’Post-Truth’現象が国民投票や大統領選挙の情報戦みならず、日常の政治、行政、企業、あるいは個人の発信にも、紛れ込んで、すでに、’Post-Truth’現象に、ドップリ浸かっているかも知れないのである.

古来より、このような情報操作、世論操作はあったと思うが、現在の情報社会の中では、いとも簡単に情報が飛び交うだけに、’Post-Truth’現象が起こりやすい環境にあると思うのである.言い換えると、情報社会が’Post-Truth’現象を加速させているとも考えられるのである.

一方、情報社会は歪曲、嘘に対し、反論する事も可能であり、結果として、情報が真実に近づく可能性もある.しかし、その保証はない.結局,事実か、歪曲か、嘘かは、読み手の判断次第と言う事になると,’情報社会の危うさ’は結局、野放しになるのである.言うなれば、情報社会の危うさを抑制する,ビルトイン スタビライザー(見えざる手)は存在しないと言う事になるのである.

もしかすると、我々は、真実こそ大事だと言う概念に凝り固まっているのかもしれない.情報社会の危うさや歪曲、嘘の氾濫を危惧するのは、真実がゆがめられる事の不安から来ている.

しかし,何が真実か、わからないのが実態である.真実だと主張しても、そこに、歪曲や嘘がまぎれこむ事だってある.

そう考えると、真実が重要ではなく,情報バトルが重要だと言う事になる.それがビルトイン スタビライァーとなって,世論を形成すれば,’Post-Truth’の意味は’真実より世論’と言う事になる.その事は、情報社会や思想、言論の自由と合致するのである.

それをポピュリズムと言うのかも知れないが、それが民主主義の基本である.同時に,情報バトルと言うビルトインスタビライザーが機能していれば、情報社会、言論の自由、世論、に内在する危うさを気にする必要がなくなるのである.

そうなると、英国知識人が,あってはならないとして、皮肉で言ったと思われる、’Post-Truth’と言う言葉の意味が,'真実より世論’と言う意味になって、あり得る現象、肯定的な言葉に変わってしまうのである.

この意味の変更に、英国知識人は、又、唖然とするかもしれない.又,’世論の危うさ’を感じている日本の知識人や官僚、あるいは政治家も,’Post-Truth’(真実より世論)の時代の到来に否定的になるかも知れない.

いずれにせよ,今日の情報社会と言うものは、好むと好まざるとにかかわらず,’真実より感情’,’真実は二の次’と言う危うさを超えて,’真実より世論’の時代に向かわせると思うのである.

こんな思考の整理で良いのだろうか.頭が疲れたので,解のない議論は、これで終わりにしたい.

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