« 463 日米首脳会談の感想 | トップページ | 465 大幅値引で国有地を払下げたとの主張は間違い »

2017.03.05

464 石原元都知事記者会見,反撃のつもりが又自滅

非難されっぱなしでは,たまらん、と石原氏は証人喚問を待たずに、3月3日、自らが記者会を開いた. その内容に対し、すでに、多くの人が述べているように、腹が立つほど、石原氏の無責任さだけが印象に残った会見だったのである.

今回も、石原氏が、ものを言うほど、自滅するのは、保身本能が露骨に前面に出たり、強気で言う言葉が的ハズレだからだと思う.年(84才)のせいか、論理より、本性が出ている感じである.その自滅語録を列記しておきたい.

語録①(豊洲市場問題の責任について)

最高責任者としての責任はあると思うが、担当部局、専門家の審議会、都議会で決議されたものを裁可しただけだ.私だけの責任ではない.

語録②(豊洲移転理由,瑕疵担保責任解除の契約、市場価格での土地購入、土壌汚染対策費の増大(860億円)、総額6000億円の増大、盛土ナシ、等に関する石原氏の認識)

豊洲移転はこれまでの経緯から最終決断した.その移転計画の実施については、専門家ではないので、担当部局、専門家の審議会、等に任せていた.従って、現在問題になっている事に関し、当時、部下から報告もなく、知らなかった.現在も調べていないので、知らない.

語録③(小池都知事の責任について)

小池都知事が専門家が安全だと言っている豊洲市場を移転延期した為に、安心でないとの風評を広げてしまった.技術が風評に負けた事は国辱だ.折角作った豊洲市場を放置している小池都知事には不作為の責任がある.一刻も早く移転すべきだ.

おおよそ、こんな感じである.この石原氏の語録に対し、感想を述べたい.

語録①に関して(全体の責任に関して)

私は豊洲移転計画を進めた行政の長としての都知事の責任と、チェック機能を果たさなかった都議会の責任があると思う.部局、審議会、都議会が判断した事を採決しただけだと言う発言は、言い換えると、私はめくら判を押していただけ、と言っているに等しいのである.

語録②に関して(計画遂行における問題に関して)

石原氏自身は専門家でもなく、知見もないとして、豊洲市場計画についても、言われるまま決断し、その計画の遂行においても、関係部門に一任し、報告も受けないまま推移した.従って、問題の内容は知らなかった,と言うのである.要するに、石原都知事は丸投げして、何も管理していなかったと言っているに等しいのである.

加えて、現在に至っても、何が行われたのか調べていないので、知らないと言うのである.行政の責任者であった自負も自覚もない姿勢に驚くばかりであった.

結局、語録①②で、言っている事を額面通りに受け止めれば、石原都知事は豊洲市場に関して、自らの指示や管理を全く、していなかった、と白状したようなものである.

本人は自己弁護のつもりらしいが、聞いている方からすると、自己弁護する程、無責任さが露呈するのである.自ら記者会見を開き、反撃に打って出たつもりが、あっけなく自滅した感じになったのである.

録③に関して(豊洲市場の移転を延期している小池都知事に関して)

会見で石原氏が一番言いたかった事は、過去を蒸し返す小池都知事批判だったようである.語録にあるように、安全な豊洲市場を放置している小池都知事には不作為の責任があると糾弾したのである.

思わず、不作為なの12年間も都知事を務めた石原都知事自身ではないのか、と思ったのである.ここでも、反撃に打って出たつもりが、あっけなく自滅した感じになったのである.

語録①②➂の自滅振りを見ると、石原氏に,可愛そうと言うか、寂しさを感じてしまうのである.むしろ、そう思われる事が本当の目的だったのかもしれない.これで証人喚問の追及が弱まったり、証人喚問への欠席が許されたりしたら大成功となる.

ところで、石原氏以外に、法的に安全だから、即刻、移転すべきだ,と言う有識者がいる.

地下水や土壌の安全性を環境基準で評価する事は間違いだとの主張である.地下水や土壌は地上と遮断されているからである.環境基準の物差しで基準オーバーと騒ぐのは悪い風評をまき散らし、不安感をあおっているだけだと言うのである.

ならば、この主張者たちは、勿論、石原氏も、過去に,地下水や土壌が汚染されていても,コンクリートで遮断するから問題はない、と主張していたのだろうか.

現実は、当初から土壌汚染対策は、いくらコンクリートで地表が覆われていて,科学的に安全だとしても、汚染土壌の上に生鮮食品市場がある事の気持ち悪さがある.そこで、汚染まみれの土壌をきれいにする事(特別な安全性の確保)を前提に豊洲が決断され、反対論者を説得してきたのだと思う.事実、石原氏は日本の技術で可能だと見栄を切っていたのである.

この土壌をきれいにするとは、明らかに,環境基準をクリアーすると言う意味だったと思う.汚染土壌が発覚する都度,地下水や土壌の安全基準を使わず、いつも環境基準を使っていた事でも明らかである.それ程、汚染対策のハードルをあげなければ,食品市場の安心は得られないと誰もが思っていたのだと思う. 

このように、当初から、土壌汚染対策は法的な安全確保を目的にしていたわけではなく、それを超えた特別な安性確保(環境基準のクリアー)を目標にしていたと思う.860億円も、その為に使ったと思うのである.

したがって、法的に安全だから,即刻、移転すべきだと主張するなら,生鮮市場ならではの特別な安全性確保と,その為の860億円の投入は間違いだった、土壌汚染をなくすとの築地市場関係者への約束も、守れなかった、と言わなければ,筋が通らないのである.

そう考えると、豊洲市場に即刻委移転すべきだとの主張は、過去の多くの問題点を不問にしたい,延期を決断した小池氏を悪者にしたい、との後付けの主張に聞こえるのである.

既に安全,安心に関する議論を要約して当ブログで発信しているが再掲示しておきたい.

Photo

小池都知事は特別な安全性確保が安心につながるとの従来の考え方で、モニタリング結果を重視し,移転可否の判断を考えているのだと思う.もし、手のひらを返したように、法的に安全だから移転する、と決断すれば、延期した意味も薄れ、かつ,早期移転論者と同じ様に、信頼感も,安心感も,損なわれ,結果、市場関係者が一番恐れる,営業リスク(風評リスク)だけが大きくなると思うのである.

いづれにしても、当ブロクで発信しているように、移転可否の判断を小池都知事にゆだねるのではなく、何をもって移転を行うか、のコンセンサス作りが必要だと思うのである.

勿論、経緯における問題点が解明されないまま、なし崩し的に移転する事に反対する意見があると思うが,この点も、どう扱うか、コンセンサスを得て置くことが必要だと思うのである.更に言えば,営業リスクに対する東京都の保障も必要かもしれないのである.

次に、会見に出なかった懸念事項を列記しておきたい.

1.築地の土地の早期売却を優先して移転を計画したのか,の検証
2.東京ガスの瑕疵担保責任を実質免除した経緯と問題点の解明.

3.土壌汚染対策費、建設費の暴騰の理由.
4.豊洲市場総費用の暴騰にの立ち止まらなかった理由.
5.豊洲市場稼働で毎年100億赤字が出る事の対処
6.都議会のチェック機能欠如の問題(豊洲市場、オリンピック設備)

これらの問題についても、都議会の各党派は百条委員会と並行して、事の顛末を検証し,今後の対応をハッキリさせる事が議会のチェック機能を果たせなかったせめてもの責務だと思うのである.

この結果如何が都議選に係わってくると思う.勿論、都民も厳しく判断しないと、税金の放漫な使い方や利権介入を防止できず、都政の改革は出来ないと思うのである.

.

|

« 463 日米首脳会談の感想 | トップページ | 465 大幅値引で国有地を払下げたとの主張は間違い »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/64969917

この記事へのトラックバック一覧です: 464 石原元都知事記者会見,反撃のつもりが又自滅:

« 463 日米首脳会談の感想 | トップページ | 465 大幅値引で国有地を払下げたとの主張は間違い »