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2017.03.06

465 大幅値引で国有地を払下げたとの主張は間違い

毎日のように報道されている森友学園への国有地払下げに関して、政治家、メデア,有識者が ’9億円の土地を8億円値引きして払い下げた’と言っているが,この主張は正しいのだろうか、私の考察を発信したい.

私の考察によれば,土地売買契約の意味するところは’8億円は値引きではなく,国の瑕疵担保責任の免除代金だと捉えられるのである.

今後,いかなる土壌汚染が出ようと,それによる損害が発生しようと、森友学園の自己責任になり、国の瑕疵担保責任や損害賠償責任はなくなると言う契約である.

(瑕疵担保責任とは契約段階で予想されなかった瑕疵の責任は売り主にあると言う意味だが、その適用は法的によくもめる所である.今回の土地売買契約は公開されていないので不明だが、瑕疵担保責任免除と言う言葉を使わずに、実質,一切,,国が責任を負わない契約になっていると想定される.)

大幅値引きと言っているのは、市場価格9億円から過剰と思われる土壌汚染除去費用8億円を差し引いて払い下げたと認識しているからだが、国の瑕疵担保責任が免責になっている事の重要性を認識していないようである.

この認識をしていれば、もし、金額に文句があるなら、’値引きはけしからん’ではなく’免責代金が高すぎる’となるのである.

この売買契約は森友学園から見れば,一見、安く土地購入が出来た様に見えるが,反面,上述のように、全てのリスクを森友学園は自己責任で対応する事になるのである. 全てのリスクが8億円以下で収まる保証もないのである.転売が出来ない事から、土地売買利益を得る事もないのである.

更に,もし、森友学園が資金不足,土壌汚染除去工事、教育基本法、手続き、等で、学校設立が遅れた時は勿論、自己責任になるし、最悪、設立が中止になれば、森友学園は建物を撤去したうえで、認定された土地価格で国が買い戻す事になるのである.森友学園にとっては,重いリスクを背負っているのである.

この売買契約は当初の賃貸契約を切り替えて契約されたようである.賃貸契約では国に瑕疵担保責任が発生し,汚染土壌除去費用の支出が限りなく発生したり、これによって,開校が出来なくなったり、学校運営や児童に被害が出れば、損害賠償責任も負わされるリスクがあったのである.

この賃貸契約のリスクを排除する為に、あるいは、ややこしそうな森友学園から離れたい心理もあってか、理財局は,あとくされのない,瑕疵担保責任を免除する売買契約に切り替えたのだと思う.

金額については理財局は、学校の敷地と言う事で、最大の土壌汚染除去費用を計算し、一切文句のつけられない額を出したのだと思う.或は、交渉上、既契約の賃貸料相当金額を前提に,免除費用8億円を逆算して見積もったとしても、不思議ではない.

一方,国が瑕疵担保責任を持ったまま、市場価格で払い下げる契約もある.この場合,賃貸契約と同じように、国が限りのない土壌汚染除去費用や,それによる損害賠償を負う事が予想されるのである.

又,国がきれいな土地にして、市場価格で払い下げる方法もあると思うが,国としては,開校に間に合わないし、多大な実費用の予算化も必要になる.かつ,払下げ後も瑕疵担保責任を負うことから,リスクが付きまとうのである.

そんなわけで、国としては、<市場価格9億円ー瑕疵担保責任免除代8億>で払い下げたと思うのである.この免除代8億が妥当かどうかの議論はあると思うが、<瑕疵担保責任費用+損害賠償費用>を考えれば,国としては、あとくされのない、リスクの生じない金額だとも考えられる.叉,もし、学校が中止になれば、転売は禁止されており、国有地はしっかり確保されるのである.

以上の事から、政治家,メデア,有識者の間違いを改めて列記しておきたい.

 ’8億円の大幅値引きで国有地を払下げた’と言っている事.

間違いの理由は上述の通りだが、値引きだと言えるのは,国が瑕疵責任を持ったまま、過剰な土壌汚染対策相当費用を市場価格から差し引いた場合である.こんな契約はしていないのである.論理的に問題点を言うなら ’高い瑕疵担保責任免除代金で国有地を払い下げた’である.

その上で,問題だと言うのであれば、免除に反対と言うか、免除代金が高いと言うか、である.高いと言うなら打倒する免除代金を示すべきである.

②’土壌汚染除去費用を実費で支払うべきだ’と言っている事.

この発言は値引きだと思っている人の言い方である.国に瑕疵担保責任を残したまま、実費精算をして行く事は,国が,限りなく,土壌汚染の責任と損害賠償を負う事を意味し,8億円を超えるリスクも残るのである.ちなみに、国の瑕疵担保責任を免除していれば、実費払いはあり得ないのである.

③’国が土壌汚染作業の進捗を管理していない’と言っている事.

契約上、国は、瑕疵担保責任を負っていないのだから、土壌汚染除去がどうなっているのか気にする必要はないのである.国から見れば、どうでも良いのである.すべて、森友学園側の自己責任だからである.従って、現地に行って、あるいは,国会で,土壌対策が問題だと言っている人は、瑕疵責任が国にあると勘違いしている人である.

勿論、学校認可の面で、認可審議部門(大阪)が土壌汚染の除去状態を調査する事はあると思う.

以上、当ブログを発信したのは、政治家、メデア、有識者が ’大幅値引きで国有地を払下げた’と根本的に間違った事を繰り返し言っている事に,黙っていられなくなったからである

しかし、当ブログが見られるわけでもなく、野党、メデア、有識者は間違いに気づくことなく ’9億円の市場価格を8億円値引きした事は国有財産の損失だ、政治力が絡んでいるに違いない’と叫び続け、テレビも、枕詞のように’国有地の大幅値引き問題は・・・’と言い続けると思う.

多分、当ブログを見た人は ’国有地を大幅値引で払い下げたのはけしからん’と繰り返して、得意満面で言う、政治家、メデア、有識者に対し,全く,分っていない人,何か別の意図をもって言っている人,単におもしろければ良いと思って言っている人,人の言っている事を吟味もせず受け売りしている人、に見えてくるのではないかと思うのである.

以上,私の考察が間違っているかもしれないが、一つの事象に対し、あまりにも、偏った主張が横行している事に,こんな見方もあると,一石が投じられれば良いと思うのである.

ついでながら、最近、瑕疵担保責任の話題が続いている.

今回の瑕疵担保責任免除代金を値引きと言ったり、東京都が豊洲市場用に汚染まみれの東京ガス工場跡地を市場価格で購入しているのに、売り主の東京ガスの瑕疵担保責任を免除していたり、挙句に,860億円の土壌汚染対策費を東京都が負う羽目になったり,おかしな事が起こっているのである.

更に言えば,オリンピックに絡んで、東京港湾埋立地の払い下げが多くあると思うが、地震や液状化、或は環境基準違反に対し、東京都の瑕疵担保責任がどうなっているのか,気になる所である.

この瑕疵担保責任の問題は公有地払下げだけではなく、民間の売買契約でも重要である.特に土地売買で自然災害に対する売り主の瑕疵の有無など,個人にとっても、気になる所である.

以上,瑕疵担保責任にかかわる契約は,売る方も,買う方も,改めて、しっかり確認しておく必要があると思うのである.

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