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2017.05.24

470  働き方改革と企業・個人の対応

安倍政権は「働き方改革」を旗印に,従来の働き方の価値観を変えようとしている.女性の就業率向上や社会的地位向上,非正規社員の処遇改善・正規社員化,賞与,給与への利益配分の増加、長時間残業の規制、等である.

ちなみに、「働き方j改革」は「雇われている人」が対象の様である.「雇われている人」とは正規社員、非正規社員(パート、アルバイト、派遣社員)、限定契約社員(職務,勤務地,労働時間、等を限定している社員)である.

企業の管理職も法的には「雇われている人」である.当然、労働基準法が適用される.管理職が非組合員になっていても、経営者、役員ではないのだから、「雇われている人」である.

一方「働いている人」には「雇われていない人」がいる.経営者、役員、自営業者、個人事業主,である.この人たちは,自己責任で仕事をしている人であり,長時間残業や長期無休勤務の問題は発生しないのである.

野球やサッカーのプロ、あるいは、芸能人は、個人事業主である.その人達が企業に所属していても、雇用契約を結んでいるわけではなく,年棒とか成果報酬、あるいは、マネージメントの契約をしているのである.言うならば、事業者同士の事業契約のようなものである.

最近,お寺の坊さんが残業手当不払いを訴えた.はたして,坊さんは「雇われている人」か「修行者」か、どちらだろうか.医療、年金、介護、等の社会保険料はどうなっているのだろうか.
お寺としては,掃除も、洗濯も、食事を作る事も、接客をすることも、休むことも、勿論,仏教のお勤めをすることも、すべて,修行だと,考えているのかもしれない.果たして、坊さんは「雇われている人」にるのだろうか.

又、複数の企業にパートやアルバイトをしている人がいる.個々の企業では労働基準法で保護されていると思うが、個人から見ると,労働基準法を超えた過酷な労働になっている事が多いと思われる.このような人は「雇われている人」ではあるが、労働基準法が及んでいないのである.

これらの整理を踏まえて、この政府が掲げる「働き方改革」について考えてみたい.

1.女性の就業率の向上や社会的地位の向上

「男が外に行って稼ぎ、女は家庭を守る」と言う人類の伝統的価値観で「男社会」が形成されて来た.これに対し,男女平等、人権尊重の哲学から、この伝統的価値観に対し,「専業主婦からの解放」を訴える運動が古くから世界各国で行われているのである.

昔、戦争が頻発したり、社会主義の思想から、「子供は国が育てる」「子供や病人や老人を施設に預け,働ける男、女は全て労働につく」と言う考え方をした国があったようだが,そんな国ほど施設が充実しているのである.「専業主婦からの解放」も、突き詰めるとこれと似たところを感じるのである.

一方、田舎では、多世帯家族が多いのだが、若い女性は看護師、介護士になり、結婚後もそれを続ける.育児は祖父母に助けてもらう.そして、祖父母の介護が必要になると、仕事をやめ、専業主婦になるのである.介護施設に入所するケースは都会に比べて少ないのである.だとすると、核家化から多世帯家族化を支援する政策が大事だと考える事に人もいる.

この「専業主婦からの解放」には、勿論、これに賛同し,実践している女性もいれば、専業主婦こそ女性の役割だと考える女性もいる.やむを得ず,専業主婦をやれない女性もいる.従って、「専業主婦からの解放」と言っても,個人の事情や価値観にゆだねられているのである.

当然、専業主婦を望むからと言って、女性人権無視とか、男女平等無視だとか、女性の地位を低めている、等と言えないのである.そんなことを言ったら、自由・人権無視になるのである.専業主婦を理想と考える人から見ると、専業主婦こそ、崇高な仕事であり、家族や国を支えている人だ、と言うかもしれないのである.

したがって、女性社員、女性管理職、女性役員の比率を競ったり、その比率で企業を評価したりする事は経済の合理性、企業の自主性に反する評価だと思う.経済原理からすれば、男女の就業比率は関係ないのである.

また国別の比較で、日本は、女性の就業率が低く出るが、これで、日本は依然として男尊女卑だと言われるのも,女性の就業率と男尊女卑が相関していると思い込んでいる言い方だと思う.

経済的理由で女性の就業率が高くなっている場合もあるし、専業主婦の価値観が低い事から就業率が高くなっている場合もあると思う.逆に、就業率が低いのは専業主婦の価値観が高いからだとも言えるのである.女性の就業率は単純に男尊女卑の物差しにはならない思うのである.

政府としてはこの「女性の就業率の向上」はGDPの増,個人消費の増、労働力増,扶養控除減,所得税増、社会保険料増,企業の社会保険料負担増,年金資産増,年金支給人数増、となり,景気対策、財政政策、社会保障政策、少子高齢,対策につながると考えていると思う.

この政府の狙いを実現する為の政治課題としては、社会進出を希望する女性、やむをえず働かざるを得ない女性に対して,子育てや介護のサービスや施設の充実,家父長文化をベースとした法制度の変更,女性社員の処遇改善、と言った女性の働きやすい環境を作る事だと思う.勿論、核家族から多世帯家族化を進める支援策も必要だと思うのである.

そんなわけで、この問題は女性の人権問題の視点ではなく、「働かざるを得ない女性」、「働きたい女性」への環境整備の問題だと思うのである.その方がわかりやすいのである.

2.非正規社員の処遇改善、非正規社員から正規社員へのシフト問題

非正規社員は事業の先行き不安による正規雇用の抑制、仕事の緩急の調整、人件費の削減,と言った経営ニーズと,兎に角,働いて収入を得たい、自分の事情に合う勤務をしたい、とのニーズが合致して、非正規社員の割合が増えてきたのである.

政治としては、非正規社員では収入が不安定で、かつ低い収入では生活が安定せず、結婚もも出来ず、子供も作れない、年金保険料も払えず,老後の年金も極めて少なく、生活保護の増加に繋がる、と言う深刻な問題に、どう手を打つかである.

韓国の格差問題は特に深刻である.2008年の通貨危機以来、政府は財閥主導で、韓国経済を牽引してきた.その結果、大企業中心の輸出依存国家になったのである.しかし、正規雇用の枠が狭く,その狭き門で、厳しい学歴、学力競争が繰り広げられているのである.

加えて、韓国は内需が低く、企業数も増えず、正規雇用の受け皿も少ない状態が続いているのである.その結果、非正規雇用もしくは失業が増え続け、現在の格差問題に発展しているのである.今回の大統領選でも,デモ等で騒いでいた割に、その処方箋は示されていないのである.

日本においては、長期のデ゙フレ脱却、物価上昇、賃金上昇、失業率低下、に向けて、金融政策、財政政策、内需拡大、を中心とした政策(アベノミックス)が推進中であるが、加えて、非正規社員の処遇改善(給与向上、賞与支給、各種手当)、非正規から正規雇用へのシフトを産業界に要請している.

企業としても、人財の強化の為にも、個人の事情、仕事の特性に応じた勤務形態や賃金体系を用意し,非正規雇用に流れてしまう事を避ける取り組みが必要だと思う.

既に、多くの非正規社員を抱えている企業が、勤務形態の多様化をした上で、非正規から正規にシフトしている例が出ているのである.勿論、企業のメリットがあっての取り組みである.

3.社員賞与,給与への利益配分の増加問題

企業の利益配分には、税金、特別原価償却、株主配当、役員報酬、研究・設備投資、年金基金・退職金積み立て、社員賞与、社員給与、福利厚生、準備金、等がある.

政府としては,円安利益、軽減税率、公共事業、などで利益が出た企業に対し、個人消費拡大、景気の実感、の為に、利益配分を賞与、給与に回して欲しいとのメッセージを出している.

勿論、企業経営としては、株価を意識した株主配当、将来に向けた研究・設備投資が最優先になる.ベースアップには常に慎重である.これに連動して、賞与、退職金、社会保険企業負担に連動するからである.叉、将来のベースダウンが困難になるからである.従って、配分するにしても、その時々の賞与と言う事になる.

現状においては、デフレ脱却、経済伸長、失業率低下,の傾向を強めているが、賞与、給与の上昇の実感が得られるまでには至って,いない.依然として、先行きの国際政治や経済のリスクがのしかかり、内部留保や利益を積極的に活用する状態にはなっていないのである.

政府としては、消費拡大による経済活性化の為に、設備投資、賞与・給与への利益配分の増加を、金融機関には融資の拡大を、強く求めているのである.しかし、企業経営者としては、自分の企業経営が優先するわけで、政府の口先介入にも限界がある.

4.長時間残業、長期無休勤務の規制

これまで、労働基準法では労働時間の上限(1日8時間、1週間40時間)を定めているが、実質、36協定によって、定められ、しかも会社の危機的事態に対しては、更に労働時間の延長が認められているのである.

又,長時間の残業を設定しても、罰則がないため、異常な長時間労働や、それによる病気や過労死の原因になると指摘されている.一方、「過労死ライン」と呼ばれる過労死の労災認定基準は、1か月100時間、または2~6カ月の月平均80時間とされているのである.

この実態に対し、政府は「働き方改革」の一環として、長時間労働に制限を設け,残業時間の上限を繁忙期も含めて年間720時間、月平均60時間、忙しい時には月最大100時間,2カ月の月平均80時間を上限にしようと考えている.して、労使との調整を経て,年度内にまとめる「働き方改革」の実行計画に具体策を盛り込みたい考えのようである.

勿論、長時間労働問題は景気が良くて、仕事が多い時の問題である.景気が悪くなって、長時間勤務がなくなって良かったと言う問題ではないのである.当然、規制が企業の足を引っ張ったり、失業率を高くしたのでは本末転倒になるのである.

ところで、世界36か国の平均労働時間比較(2012年)によると、最も多い1位がメキシコで2226時間、2位韓国の2163時間、日本は15位の1745時間、最も少ない国は34位のドイツの1393時間、35位オランダの1384時間である.然し、日本のサービス残業(平均200時間)を加えると、5位のロシアの1982時間くらいになると推定されているのである.

以上、「働き方改革」の四つのテーマのについて述べてきたが、全体を通して、共通する問題を指摘しておきたい.

①企業経営における日本型経営か欧米型経営かの検討

日本の戦後経済の復興、80年代の経済の高度成長は帰属意識の強い,勤勉な国民性と日本型経営が牽引して来た事は事実である.日本人の働き過ぎをILOから指摘されてはいたが、日本型経営が世界から注目されていたのである.

女性の就業率向上も、非正規社員の処遇改善も、処遇への利益配分増加も、長時間勤務も、根本的には、日本型経営の文化と関係しているのである.そこで、欧米と大きく違う国民性と日本的経営について,整理しておきたい.

・日本人の国民性の特徴

農耕民族,村社会のDNAを引き継いでか,企業への帰属意識,忠誠心,集団意識,年功序列意識,,会社一丸精神,丁稚奉公や滅私奉公の精神が日本人の精神性の中にあると思う.叉、日本文化には曖昧の合理性があると思う、白黒はっきりさせるより、曖昧にしていた方が風波が立たない、と言う考え方、文化である.社員同士でも、仕事でも、経営でも、顧客に対してでも、この文化がある.欧米のような契約文化が育たない理由である.

欧米では仕事を始める前に詳細にわたってキッチリ契約をする.日本人は、信頼を前提として詳細を決めない.詳細を決めようとすると、やる気が疑割れるのである意.結果、別途協議を行うとして、トラブルが発生した時,議論を始めるのである.一頁程度の契約書で仕事が行われると言う意味では曖昧の合理性が発揮されるのである.多民族と単民族の違いかもしれない.(当ブログNO29 、1頁と100頁の契約書に見る日米文化を参照

・日本型経営の特徴

国民性と連動した形で、日本的経営が行われている.幾つかその特徴を挙げておきたい.

終身雇用、年功序列、労働組合のユニオンショップ制、
仕事の内外に対する曖昧の合理性
役員と各組織間、組織間,社員間、の役割、仕事内容、権限が曖昧
採用は「入社」,採用は4月一斉(欧米では、採用は職種で、随時採用)、
入社だから採用時のジョブデスクリプションがない
(入社後,勤務地,所属を決定)
欧米では採用時、ジョブデスクリプションで採用を決定
人財確保は「フロー」ではなく「ストック」(欧米はフロー)
仕事の成果は目標の100%以上を高評価(欧米では100%が高評価

残業手当が恒常的に発生(それを見越した給与の設定)
企業の社会的責務(雇用、税負担、社会保険費用負担、福利厚生費用負担,等)

等であるが,企業が労働法制の下で、日本型経営を取るか、欧米型経営を取るかは、まさに経営者次第になると思うのである.叉、法制度としても、この両方を考慮した検討が必要だと思うのである.何れにしても、企業としては、生産性の向上策によって、勤務時間を低減し、人件費の抑制を図りたいところだと思う.

②長時間残業対策

長時間残業或はサービス残業は上記の日本人の国民性や日本型経営文化、あるいは、競争激化の中で起こっていると思われる.又,サービス残業は規制逃れで発生している場合もあると思う.一方、定常化している残業手当を維持する為に、無駄な残業をする事もあると思うのである.

抜本的対策には欧米型の経営の導入や企業風土の改革が必要だと思うが,少なくとも、異常な労働時間による労災を防ぐ為に,二つの事が必要だと思う.

・裁量労働の適正運用化

勤務労働基準法は1日8時間の法的労働時間を超える残業に対し、通常の1.5倍以上の賃金を支払うよう義務づけている.一方、労使であらかじめ決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」がある.このみなし残業代は手当として支払われる.勿論、原価もしくは費用に計上される.

この制度が適用されるのは研究、弁護士,証券アナリスト,ソフト開発、等,「専門業務19業務」である.この裁量労働制は残業時間概念の内にある制度である.従って、自己の裁量の外にある緊急事態等に関する残業はみなし残業の外にあり、残業代を支払う必要がある.

この裁量労働制度は企業から見ると無駄な,残業手当の抑制、社員から見ると,自己の裁量による効率的な仕事が可能になり、生産性の向上、無駄な残業手当の削減が期待されるのである.

一方、この裁量労働制の適用者は、普通、勤務記録を付ける事はなく、みなし残業時間以上の勤務の実態はわからないのである.従って,みなし残業時間以上の勤務があっても、自己裁量とみなされ、時には残業規制を逃れる手段になるのである.それゆえ、厳正な裁量労働制の運営が要求されるのである.

・管理職の法的位置づけの明確化.

最近、飲食店の店長の長時間残業、長期無休勤務、による過酷な労働問題、残業手当の不払い問題、がマスコミをにぎわしていた.

この飲食店の店長は明らかに経営者ではなく「雇われている人」である.しかも、店の運営、店員の管理の職務からすると「管理職」であるが,経営者、役員ではないのである.しかも、管理職は専門業務19種にはなく裁量労働者でもないのである.只、気分としては、店長手当をもらって、役割、責任を負い、自分の裁量で仕事に取り組んでいるのである.

この店長は、管理職として,必死に店長を務めていたと思われる.周囲も、よく頑張っていると感じていたと思う.しかし、勤務の実績が記録に残されていない為に,過酷な労働実態や,それに見合う残業手当が支給されていなかったのである.

このような問題が多く発生している感じもするだけに、管理職は労働組合を外れるのが一般的だが、その事で、経営側の人になって、労働基準法の外の人になると思われがちになっているのである. 浅学だが、管理職の法的、あるいは社内規定の位置づけの明確化が必要だと思う

・休日出勤に対する代休制度の見直し

一般に、制度上、休日出勤は代休をとる事にしている企業が多いと思う.一定期間が過ぎても代休を取らない場合は、強制的に代休を取得させるケース、累計の休日出勤残業手当を払って清算するケース、があると思う.或は、時効として、サービス残業になる事もあるかもしれない.

論理的には、休日出勤は毎月、残業を計上し、残業手当を支給すべきだと思う.休日出勤、残業を計上する事で、長期無休勤務防止や残業規制が守られると思うのである.

代休制度は長期無休勤務を防ぐためだと思われるが、代休を取らなければ、長期無休勤務や残業の規制が働かない事が起こり得るのである.代休制度の見直しが必要だと思う.

③限定契約社員の拡大

限定契約社員とは職務,勤務地、労働時間を限定している社員を言うが、正規社員では勤務が難しい人たちの採用である.企業の中で、正規社員から、結婚、介護等で、これに移るケースが考えられる.社員のニーズと企業の人財の維持を共存させる雇用形態であり、正規社員に近い雇用と言う事になる.したがって、複数の企業と、この契約を結ぶことはできないと言う事になる.

企業としては、正規社員の一つの形態として、この雇用形態を作り、広げるべきだと思うのである.したがって、社会保険の企業負担等、法制度の検討が必要になると思う.

④複数企業との雇用契約を可能とする制度の検討

A社の正社員&B社のパート、A社の正社員&B社の正社員などの組み合わせで働くことが出来るような制度検討である.例えば、トラック運転手が週の内3日はA社で、残り3日はB社で働くようなケースある企業からすれば,労働力不足を補う事が出来たり,社員に取っては,収入の増加に加え、リストラされて職を失う事が防げるかもしれないのである.

⑤勤務時間,残業時間の概念をなくした雇用制度の検討

「雇われている人」は労働基準法で勤務時間等が保護されているが、勤務時間に関係なく「働きたい社員」、「働いてもらいたい経営者」がいると思う.その為に、勤務時間概念のない裁量労働制度があっても良いと思うのである.

⑥社員の個人事業化,人財のフロー化(流動化)

スポーツのプロや芸能人のように、あるいは、局アナがフリーアナになるように、正規社員も非正規社員も個人事業主になって,複数の企業とプロフェッショナル契約を結ぶ事は「働き方改革」の最たるものだと思うのである.叉、個人で請負契約もしくは委任契約を企業と結ぶ方法もあると思う.

企業としては、残業問題も、社会保険の負担も、雇用の責任も、発生しないし,高度な専門性を活用できるのである.人財の考え方がストックからフローに移る事になる.

一方、企業内に、このような個人事業主が増えると、外注ばかりの会社になるが、どんな組織や仕事の進め方になるのか検討する必要が出てくる.

又、個人としては、非正規社員のように収入が不安定になるかも知れないが、経験を積みながら、職種の専門家として、複数の企業と契約できるようになるかもしれないのである.帰属を好む日本人ではあるが,こんな専門家が増えてもよさそうである.

又、企業は請負或は業務委任の契約を専門企業と結ぶケースも増えて行くと思う.そうなると、受託企業で専門家集団が増えて行くと思う.何れにせよ,社会全体の雇用を見ると,専門家志向が強まって行くはずである.人材はストックと言う従来の日本型経営から人材はフローと言う考え方にシフトしていく事になる.

以上、「働き方改革」は、マクロ経済政策で失業率の低下を図りつつ、多様な働き方が出来る環境作りによって、専門職の増加、起業の増加、生産性の向上、これらによる,国民の生活力の向上,それが、活力ある経済、活力ある国家につなげる事だと思うのである.

その為には、単に労働条件の話だけではなく企業の雇用システム改革,学校教育改革、ひいては、日本文化・慣習にも関わるテーマだと思うのである.

特に、会社と個人の距離感が変わって行く感じがする.

これまでの日本の価値観や統治制度(雇用,社会保障、納税,等)は家族,会社を基盤としている.一方、会社にも家族のような社風があって、会社と個人との距離感は極めて近い関係にあると言える.

一方、国際化の進展で、国際競争力の激化、他国籍社員の増加、海外への事業展開、及び、専門家志向や人材のフロー化で、個人と会社との間に一定の距離感が生まれてくる感じがするのである.

そうなると、会社の社会的コストの負担が課税だけとなり、雇用維持、福利厚生費、社会保障費等の負担は減って、そのコストは個人や国に移る事になるのである.

そんなわけで、政府の言う「働き方改革」はDGPや税収,あるいは社会保障対策の為だとしても,「働き方の多様化」の方向であり、意図しなくても、日本的経営や日本文化から欧米の文化に変化する事になると思うのである.日本文化の葛藤がまだまだ続くのである.

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