8月30日の総選挙は下馬評通り,いやそれ以上に,野党民主党の圧勝であった.まさにオセロゲームの如く,全国の自民党・公明党の勢力図が民主党に一気にひっくり返った.歴史的な政権交代が初めて起ったのである.
一方,この政権交代劇は当ブログ176自民党の凋落要因,179私の政局予想,あるいは,世論調査,の通りの結果であった.自民党は誰もが予測できた劣性要因に手を打てず,’負けるべくして負けた’感じである.自民党の自滅,限界を露呈した選挙であったと思う.
この自滅に加え,民主党の官僚政治改革,税金の使い方の抜本改革への熱意が追い打ちをかけて,自民党を壊滅させたのだと思う.
前回の小泉改革,今回の民主党改革と’閉塞感を打破する改革’に軍配が上がったのである.選挙戦術としても,'改革’と言う攻めの姿勢が不可欠である事を証明した.景気対策と言う量的政策のみで,改革と言う質的政策の旗を挙げられなかった自民党は,まさに自滅したのである.
小泉政権は’攻め’で大勝したが,麻生政権は’守り’で大敗したのである.政策戦術,選挙戦術の負けである.
そこで,この政変劇を政治思想の側面から,整理,総括してみた.但し,そんな単純ではないと思うし,異論も多いと思うが,一つの見方を提示したい.
日本の政治思想は55年体制時代,極右翼,右派,中道,左派,極左派(急進・過激,ラジカル派)が存在し,政界では右派(保守)と左派(革新)の対立構造であった.正確に言うと,左派は保守を維持させる為に存在し,実質,保守自民党の一党独裁が続いた.
その後,世界の社会主義国の崩壊で,日本の政治思想は欧米とは内容を異にするが,おおよそ次の3つに集約されて来たと思う.思想,政策と言うより人間の性格の分類に近いかもしれない.
①保守主義(コンサーバティブ)
保守という言葉は,多くの国で,共産主義から先祖伝来の土地,財産を守るという意味で使われた.日本も,西側諸国も,この保守勢力が国を治めてきた.
各国とも保守の性格や政策は異なるが,日本の保守派の性格は農耕民族的文化,伝統,ナショナリズム,皇国史観,秩序を重んじるタイプである.又無条件降伏した日本を戦勝国から守る意味があったと思う.
この性格,思考を持つ自民党は戦後復興に向けて,社会資本整備,産業振興,を目指した.一党独裁体制の下で,政・官・業の護送船団による産業振興,道路,住宅公団,公的金融機関などを総動員して,積極財政出動・公共事業による列島改造,等を推進し,経済大国に引き上げたのである.
しかし,自民党は高度成長後も手段が目的化してしまった.公共事業経済,官業構造,利権構造が組織票となり,政権を支えた.同時に,大きな政府,官僚国家,肥大官業,等,国家の脆弱性を抱える事になった.又,一党独裁で築いた派閥政治,日本的議院内閣制(党内派閥による政権闘争)も変わる事はなかった.
結果として,世界的に見れば,コストはかかるが安全な社会,中流社会,官・民ダブルスタンダードの社会(複合経済社会),日本的資本主義社会を作ったと言える.
一方,バブル経済の崩壊,国際化の進展で,日本の脆弱性が露呈する事になる.保守派はネオコン派やリベラル派から見れば,守旧派に見える様になった.
保守派の思考は新しい考え方・論理に,’そんな事は出来ない’と,まず否定文を口にする,現状肯定の中で改善は出来ても,現状否定の改革は出来ないタイプである.象徴的に言えば,’外資を生理的に嫌う’’理より気,一致団結が好き’のタイプである.音楽でいえば,和楽の流れ,形,にはまった演歌を好む.
尚,この保守派の最大のテーマは語源の通り,左派勢力との対峙と日本国憲法の改正であるが,前者のテーマは,時代とともに役割は薄れたが,後者は現憲法の改定規定が障壁となって実現できていない(当ブログ171憲法96条問題で発信).
②新保守主義(ネオ・コンサーバティフ)
ナショナリズムや憲法,安全保障の国家観,皇国史観,憲法改正,あるいは反左派思想は保守主義と一致するが,むしろより強硬派である.,但し,保守と大きく違う点は,自由主義を原則にした小さな政府論者である点である.
政府の介入が小さい方が,規制緩和した方が,国際化した方が,国の活力,効率が上がり,財政規律も守られ,産業・企業が発展し,パイが拡大するとの考え方である.このパイの拡大なくして福祉なしとの考え方は保守思考と同じだが,’官から民へのシフト’が保守思考と大きく違う点である.保守派は守旧派に見える.
特に問題解決に対しては理論武装,リーダーシップ,大きな決断を発揮する.その分,日本的な文化・価値観・慣習との葛藤を伴う.音楽でいえば自由,個性,ライブを重視するジャズ.
米国の保守(共和党)は,この新保守に近い.開拓精神,自由と言う建国の志を持ち,政治の介入は極力避ける小さな政府の社会を理想としているからである.
この保守思考のもと米国は,建国以来,ナショナリズムや宗教を共有し,自由,個人主義をとりながら,競争,自己責任も許容する社会を作ってきた.これによる,先進科学技術,新産業,ボランティア活動,アメリカンドリーム,が生まれた.反面,貧困層問題も内在した社会でもある.民主党はニューデール政策に代表される国家事業や弱者対策で共和党を補完をしている感じである.
米国の共和党,英国保守党のサッチャー,日本の国鉄,電電公社,専売公社の民営化をした中曽根政権,失われた10年に対し,不良債権処理,官から民への官業改革(郵政,道路,金融など),規制緩和,の小泉政権などがこのタイプ.
③リベラル(反体制という自由主義だが,的確な訳が見当たらない)
古くからのしきたりや制度・法律から離れられない保守派に対して,時代の変化に応じた発想をするタイプ.正義感で,ものを考えるが,過激派(原理主義,ラジカル)ではなく,穏健な平和主義,平等主義,弱者救済主義,大衆政治主義でもある.一方,不合理性,脆弱性を嫌う点では新保守(ネオコン)と同じだが,分配を拡大する,やさしさがあり,大きな政府になる.
特にリベラル思考の弱点は,国際競争,パイ拡大,利益の追求,財政事情と言う厳しさから目をそらす幼児性がある.パイの分配重視が国家の活力を失わせ,ますます,パイの分配が出来なくなると言う結末を想像しない事である.
この様に,パイの分配は熱心だが,パイの拡大は言わない.資本主義,競走原理,市場原理をよく問題にするが,対案が見えない.さりとて,市場原理のない社会主義が良いとは言わない.戦争より平和,武力より話し合い,と当たり前の事を熱心に言うが,具体的問題には策を論じない.安全保障に対しても,はっきりしない,等,リベラル思考の特徴である.
リベラル思考は問題指摘は得意だが,必ずしも,具体策を持っているわけではないと感じる.大きな視点で大局的に考える事が性分に合わないのかもしれない.持ったとしても単純で概念的にとどまると思う.野党に向くけど,与党に向かない性格だと思う.学者,インテリ,評論家,市民派に多いタイプ.
多分,経営者,商売人に向かないし,やっている人もいない.音楽でいえば,言葉に酔いしれて,一時の幸福感,連帯感に浸る事が好きなフォーク派.
しかし,リベラル派は保守,新保守の失政に対し,清涼剤的に評価され,軌道修正的役割で政権を担うことがある.但し歴史的に見れば,保守系ほど長期に政権が続いた事はない.
ところで,日本の中世,南北朝時代,バサラ(婆娑羅)風潮が起こった.身分秩序を無視し,天皇,皇室の権威を軽んじて,自由に反発する人達の出現である.その後,この潮流は下剋上やバサラ大名を出現させて行った.自由に発想するタイプと言う意味で,現在のリベラル風潮も,これに似ているのかもしれない.
このリベラル思想は英国の保守(チャーチル,サッチャー)に対する労働党(ブレア,ブラウン),米国の共和党(ブッシュ)に対する民主党(オバマ),がこのタイプだと思う.
米国共和党と民主党はそれぞれ’惨めな失政をする共和党’(共和党ブッシュ),’優柔不断な民主党’(民主党カーター,クリントン)と揶揄されたり,健康皆保険制度の大論争で双方の考え方の差が鮮明に表れている.
尚,これら対立する2大政党ではあるが,日本と違って,憲法の精神,ナショナリズム,安全保障や武力行使の意義,などを共有した上で,政策の論争が行われる.
例えば,古くはベトナム紛争(東西代理戦争)への介入を始めたケネディ,ジョンソン,の民主党,最近では,湾岸戦争に介入したブレアの英国労働党がある.この政権の誕生は左派勢力が政権を奪取したと思われた.しかし,労働党ブレア政権は,国家観,資本主義・市場経済,米国との関係,に現実路線をとったのである.
このリベラル思考に,もうひとつ特徴がある.真面目さゆえに,演繹的発想をしがちな点である.それが現れている例が官邸主導問題である.
自民党では,中曽根政権,小泉政権,等で,大きな政治課題に対して,政治家の手腕で官邸主導を進めた.これに対し,民主党は英国労働党を参考に,制度,形で取り組もうとしているのである.’国家戦略室’など映画に出てきそうな名前だが,まさに,その性格が丸出しである.
英国労働党は官邸に権力・体制を集中させたが,もともと行政府と国会(政党,議会)の緊張感が薄くなる議院内閣制で,小選挙区制の上に官邸主導を取ったものだからい,一気に独裁色を強めてしまったのである.国会(政党,議会)を軽視し,民主主義の原点である緊張感を奪ったと非難が集まったのである.英国らしい非難である.
本来なら,民主主義とは手間がかかり,議論に緊張感がある方が良いのだが,政策決定プロセスを集中化,単純化したい,と官邸主導にするあまり,民主主義とは反対の独裁に行ってしまったのである.
日本の民主党も官僚主導から官邸主導へと宣言し,その為の制度,仕組み,体制を検討しているようだが,野党時代の官僚に対する恨みがあるのか,いかにも短絡的に捉え過ぎのように思う.
官僚は官僚主導など,とんでもない,政治家がそうさせて来た,と言うはずである.法律的にも,政治主導のはずである.だとすると,本質は政治家が官僚に丸投げしないだけの話になる.政治家の力量,手腕,リーダーシップの問題なのである.
このように捉えないと,演繹的に制度,仕組みを作っても,形骸化するだけである.英国は独裁的になったが,日本は形骸化の方が心配である.
実は政治主導を実現する為に,欧米では,官邸及び政治家が強力な政策集団を持っている.日本では官僚がそれをやってきたわけだが,どうするのだろうか
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政治家主導,官邸主導は実は事務次官会議を廃止したり,戦略室を設けることではない.いかに政治家が問題分析能力,政策立案能力を高めるか,だと思うのである.自前の政策集団を持てないなら,官僚を政策集団にすればよいのである.官僚を目の敵にして,手足をしばる事が官邸主導ではないのである.
さらに,民主党の子供手当支給案について言えば,家計に直接支給すると言う.財源は気にせず,目的も曖昧で,単純で,演繹的で,教条的である.元来,個人の財産に直接公金を使う事は,貧困や災害の特別な場合を除いて,禁じて来た.あくまでも公金は公的な支出(公的資産,サービス)に限っていたのである.
直接支給は公金の再分配であり,恒常的な家計の収入になる為,一度実施すると,廃止,縮小もできなくなる.当然,国家財政の硬直化,肥大化,重税化を招く事は自明である.無駄を削減し,これに当てるとの事だが,恒常的な財源にはならない.何を削るかが大問題になる.財政需要が拡大する中,又新たな課題を背負った事になる.
帰納法的,現実的に考える人は,財源と相談しながら,支給するにしても,間接支給を考える.幼稚園,学校,病院,等の費用を無料化すると考えるのである.目的,財源,制度設計のしやすさ,事務費用,何よりも,廃止,縮小の時の対応策も視野にするからである.この様に,柔軟に対応できる余地を残す考え方をするのである.
農家への所得保障も輸入自由化対策だと言うが,農業の国営化に近い.制度設計は不明だが,膨大な財源は想像できるが,展望が創造出来ない.
総じて,リベラル派は頭で描く先入観で物事を考える傾向がある.真面目さ故に,断片的な事をよく論じるが,大局観や経営視点でものを考える思考の余裕がない.その結果,現実とのギャップが生じたり,実現に無理が生じたり,しやすいのである.それでも,持論を曲げる事にプライドが許さず,権力で押し切ろうとする性格がある.この点が左派的に感じる所である.
リベラルに物を考える人は’水清くして魚棲まず’’あちらを立てればこちらが立たず’’風が吹けばおけ屋が儲かる’'合成の誤謬(ごびゅう)’(個々に良いこ事でも,全体で見ると大問題になる)を学ばねばならない.
ところで,民主党の’生活第一’という家計への直接支給政策は勝つ為の選挙戦術としては,見事である.業界・団体の組織票を金で買うより,家庭の票を金で買う方が,財源は膨大になるが,票は比較にならないくらい多い,からである.
又,無駄な公共事業だと言われる事もない.政官業の癒着も起こらない,産業や国が疲弊しても,国民の責任に出来る.国民の意識と民主主義の弱点を見透かした,見事な選挙屋の策に感じる.もしそうだとすると,この選挙戦術を考えた人はリベラル的思考の人ではなく,超現実的な人だと思う.
日本の為に考え抜いた政策だと信じたいが,何が何でも選挙に勝つ為,将来に渡って,民主党政権をつなぎとめる為,の政策なら,国民は買収された事になる.
さて,世界政治の潮流を見ると
現在はリベラル,穏健派の流れにあると思う.イラク戦争,テロとの戦いで,新保守・強硬派が続き,その反動期にあるからである.特に,米国のブッシュからオバマへの政変は象徴的である.今回の総選挙も,この影響を受けていると思う.
しかし,リベラルの発想は問題を掘り下げるほど,立ち往生する可能性もある.その時,ネオコンサーバティブを誘発する要因になる.
以上のように,政治思想・路線は中道左派を含めたリベラル派,保守派,新保守派,の3つに集約されると思うのである.それぞれを集約すると次の如くである.
・国家観が曖昧な無国籍評論家タイプ(リベラル派,フォーク派)
・和魂和才の国家観,洋才に抵抗感を持つ古風な日本人タイプ(保守派,演歌派)
・和魂洋才の国家観,国際的視点で洋魂も許容するタイプ(新保守派,ジャズ派)
ちなみに,楽譜を基本に演じるクラッシックは全体主義派とし,現在の政治思想,路線から除いた.
となる.あなたは何派ですか.フォーク,演歌,ジャズ,どれが好きですか.自民党,民主党の議員にも聞いてみたい.多分,自民党は保守と言い新保守とは言わない.民主党は一概に言えないと言うに違いない.それがまさにリベラルな証拠である.
この3つの政治思想,性格を日本の政党に,改めてプロットしてみた.
自民党は永年の保守本流を進めたが,リベラル的な河野(洋)や加藤の闘争,日本的構造の改革を進めたネオコン的中曽根,小泉,の闘争,小泉政権後の阿倍・福田・麻生の保守回帰,などがあった.今回の政変で,自民党は今後,どのような政治思想,政治路線をとって行くのか,大きなテ-マを抱える事になった.
一方,民主党は選挙の顔はリベラル風であるが,政治思想的には左派から保守右派までの寄り合い所帯であり,政治思想,政治路線は不明である.国家観等の本性は,その有無を含めて封印されたままである.その事がまさにリベラル的であり弱点なのである.
民主党は大衆政治を選挙で訴え,大勝したが,国際政治や国内の難題に,どこまで通用するか注目される所である.合成の誤謬(大衆に良い事をする程,日本全体の活力を失い,良い事がまったく出来なくなる)になったら日本は悲惨な社会になる.民主党政権の最大の課題である.
次に,国民の政治思想は今回の選挙で,どう現われたのだろうか.
自民党の敗因は複合的だと思うが,その原因を政治思想面で考えてみた.
①ネオコン的小泉改革の負の部分が原因だったのか,
②保守回帰で古い体質に戻った事が原因だったのか,
③リベラル派の問題指摘,政策と対峙しなかった事が原因だったのか,
私見によれば,小泉改革以後,改革で得た大議席のまま,古い手法の保守に回帰(先祖返り)し,改革も中途半端にし,政権をタライ回しにし,積極的財政出動で景気対策を進めた事が国民には無駄の上塗り,利権政治の復活と映ったのではないかと思う.実力者と言われる古参議員の復活も,これに拍車をかけたと思う.
その結果,もう自民党にあきた,新鮮味がない,賞味期限切れだ,との風潮が深まる中で’責任ある自民党’’景気対策なら自民党’と連日テレビで宣伝するたびに`分かっていない’と,支持を落として行ったのではないかと思う.
以上の事から敗因は②だと思う.特に,保守王国の地方が自民党離れした事は①を超えて,②の古い体質に対する見切りがあったのではないかと思う.これではいくら景気対策と言っても無駄だと,信用されなかったのである.無駄(波及効果の低い投資)も景気対策のうちだとは国民は思わなかったのである.
自民党からすれば,保守もダメ,改革もダメ,では自滅としか言いようがないのである.当ブログでも阿倍政権時,小泉政権後どうするかが自民党の命運を決めると,発信して来た.結局,自民党は迷走しながら,悪手のシナリオを選んで来たと言えるのである.
結局,自民党は日本を経済大国にした実績と850兆の借金を残し,中途半端な行財政改革のまま政権を去る事になったのである.自民党の責任は重大である.この総括をせずして自民党の再生はない.
そこで,今後の自民党であるが,所帯が小さくなった割に,総理経験者や大臣経験者が残り,中堅・若手を失った.それで,総括や再生を難しくするかもしれない.総理・大臣経験者の退任,新党結成,民主党を巻き込んだ政界再編,など真剣に取り組んで欲しいと思う.
一方,民主党には,きれいごとでは済まない現実が待ちかまえている.特にマニフェストで避けた安全保障や国際協調の問題は,選挙で逃げられても,現実の国政では逃げられないのである.
又,マニフェストに記載した政策は,まず財源等を徹底調査したうえで,現実の予算編成の中で,もう一度その実行可否を判断すべきである.マニフェストで約束したからといって,何が何でも実行する事はきわめて危険である.
民主党の約束は守れても,日本が沈没しては何もならないのである.前述のように大局観を持って,合成の誤謬にならない様,切望したいのである.
特に日本は憲法問題,安全保障問題,財政問題,格差問題,少子化問題,年金・介護・医療問題,経済問題,農業問題,行政改革問題,など難問山積みである.必ずしも民主党の断片的マニフェストの内容だけでは国政は出来ない.
以上のように,今回の総選挙は自民党を退場させただけで,難問解決の光は,何も見えていないし,民主党の政治思想も不明である.それだけに,政権交代が起こっても,国民は歓喜しているわけではないのである.
大きなボールを民主党に与えただけである.嵐のあとの静けさの中で,お手並み拝見の状態が続く.
最後に,今後の政治思想の潮流であるが,
前回と今回の総選挙で,大方の予想通り,保守派・守旧派が嫌われ,改革がキーワードとなった.そこで,保守思想はどうなったのだろうか.
・国民の伝統的な保守思想が少数派になった.或いは.
・保守派に嫌気がさしただけで,保守思想は依然と根強く残っている.
さて,どちらだろうか
私見であるが,国民の政治意識の向上,日本が抱える深刻な問題,で理の戦いが活発になる.その結果,伝統的な保守派に代わって新保守派が拡大し,その対抗として,中道・穏健のリベラル派が存続するのではないかと思う.
かくて,革新(社会党系左派)に続き,保守も終焉し,リベラルと新保守の政治体制になって行くと思うのである,
そうであるならば,リベラル政党と新保守政党の2大政党体制が出来て行く事になる.まさに米国の民主党と共和党,英国の保守党と労働党である.今回の選挙結果は,これに向かった一里塚であれば幸いである.
もし,自民党が保守本流を改めて標榜しても,展望が見えない.自民党の道は,憲法問題,財政問題,少子高齢化問題など,日本が抱える多くの難題に,従来の自民党の政策の反省も踏まえて,新政策を打ち出すと言う意味の新保守を掲げ,日本の将来の姿を論ずべきだと思う.自民党の総裁選に注目したい.
追記
当記事は歴史的政権交代に際し,自分なりに考えを整理したく,多くのエネルギーをかけて書いてみた.自分はどんな思考タイプなのか,日本の政治路線はどうあるべきか,を自問しながら推敲を繰り返した.
自民党がやり遂げられなかった膿を出す為にリベラル思考は現在のところ必要だと思うが,国家の長期的視点で日本の難題,閉塞観を突破するには,新保守思考が必要だと思う.政治が国民を’ゆで蛙’にしてはならないし,財政的にも厳しい局面にあると思うのである.まさに’合成の誤謬’に突き進んではならないのである.
今回の選挙で,国家の脆弱性を徹底的に排除し,景気対策の上からも,国家をスリムに筋肉質にし,民力を高めよう,と言う新保守政党がなかった事が残念であった.若手の隠れ小泉改革支持者が声を出す時だと思う.
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